滋賀の水と生態系を守る絶景【高島市・畑の棚田】

2018-6-5
海と日本PROJECT  in 滋賀県

高島市畑地区に、傾斜に逆らわず幾何学模様に広がる棚田。標高差100mにわたってすり鉢状に広がる359枚の棚田に見守られるように、民家が点在しています。その昔、棚田は山頂付近まで連なり、実りの秋には静かな山里を黄金色に変えたと言われています。季節ごとに様々な美しい姿を見せてくれ、その景観は”日本の原風景”と高く評価されています。「畑の棚田」は1999年、全国の134地区の1つとして滋賀県内で唯一『日本の棚田百選』に指定されました。

 

棚田を守ることは琵琶湖と海を守ること

「棚田」の役割は、単に米を生産する場だけではありません。保水・洪水の調節、土壌浸食の防止、生態系の保全、農山村の美しい景観の形成、伝統・文化の継承など、様々な役割を果たしています。滋賀県においては、琵琶湖に流れ込む川の上流で、水と土と人々の生活を守るかけがえのない存在です。とくにこの畑の棚田がある高島市は、琵琶湖へ注ぐ水のほぼ3分の1を生み出す地域です。高島市に降り注いだ多くの雨や雪解け水は森林からゆっくりと流れ出し、安曇川や石田川をはじめとする数々の河川を経て、やがて琵琶湖へ、そして海へと流れつきます。山の上の棚田と下流の海は、実は深くつながっているのです。

 

大切な棚田を未来へ

近年は高齢化や農業の担い手の減少、耕作放棄の拡大など、棚田の維持が困難な状態となってきました。そこで滋賀県では、お米作りを体験しながら棚田のことを理解してもらおうと「棚田オーナー制度」を進めたり、棚田保全にボランティアで取り組む「棚田保全活動」を実施したりと、大切な棚田を守っていくための様々な取り組みが行われています。いきなり「海を守る」というのは難しいかもしれませんが、こうした身近な風景を守ることも、十分琵琶湖や海を守ることにつながっています。

アクセス:JR近江高島駅から畑線バスで約30分の「畑」下車

写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー

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