大津市在住の中学3年生が色鮮やかに描く琵琶湖の魚が絵本になりました!7月1日びわ湖の日に出版されます。作者の黒川琉伊さんにお話をお聞きしました。
海を守る熱い思いを持ち活動する人を海と日本プロジェクトでは「熱源人材」と呼び、ホームページで紹介しています。https://umi-kaido.com/netsugen_jinzai/
全国で58人、滋賀県では2人が選ばれている「熱源人材」。その中の一人が大津市在住の中学3年生、黒川琉伊さんです。
黒川琉伊さんが7月1日に出版した絵本は、「はじめてのびわこの魚」。
絵本には、ビワコオオナマズやワタカ、ビワマス、ビワヨシノボリなどの琵琶湖の固有種のほか、コイやドジョウ、アマゴ、外来種のブルーギルやオオクチバス(ブラックバス)など50種類が色鉛筆で描かれています。
琵琶湖の魚はモノクロできれいではないと思っていたのですが、黒川琉伊さんが描く魚は本当に色鮮やか。
琉伊さんは「琵琶湖や川など、その魚が住んでいる環境で見たらこんな色をしている」と話します。琉伊さんのお母さんの雅世さんも「漁師や釣りをしている人は琉伊の絵を見てこの色だと言ってくれます。私も琵琶湖の魚は色がないと思っていたのですが、琉伊の絵が正解だったのだと知りました」と驚きます。
魚は繁殖期には鮮やかな「婚姻色」の体色に。琉伊さんの描く魚は、婚姻色の美しさが十分に表現されています。
魚の絵の周りには「やさしい顔」「歯があり、かまれると痛い」など、琉伊さんの感想が書かれています。
琉伊さんの体験や漁師から聞いた話をもとに書いた文章がとてもおもしろいです。
琉伊さんの「絵本を出版したい」という思いに応えて、琵琶湖博物館主任学芸員の金尾滋史さんが学術的な間違いがないかをチェックしました。絵本の帯には琵琶湖博物館の高橋啓一館長の推薦文も。
2021年、琉伊さんの描く魚の絵に魅せられた長浜市の出版社・能美舎の堀江昌史(まさみ)さんが本の出版を勧めました。
琉伊さんが絵本の出版を決めたのは、「琵琶湖のごみ」がきっかけでした。
琉伊さんが滋賀県の県鳥でもあるカイツブリが釣り糸に絡まっているのを見て、「怒りと悲しさと絶望」に打ちひしがれていると、雅世さんが「未来は変えられる。自然が好きな子どもなら、ごみを捨てる大人にならないかもしれない」と声をかけました。
それを聞いた琉伊さんが「魚に興味を持ってもらって、琵琶湖が好きな仲間を増やしたい」と1年かけて魚の絵を描き、絵本を完成させました。
琵琶湖が好きな仲間を増やせば、ごみも減って魚やほかの生き物たちにとっても過ごしやすい環境になる。保育園に絵本を置いてひとりでも魚に興味を持って、琵琶湖博物館に行く子どもや、フィールドに出て生き物を観察する子どもが増えれば琵琶湖や生き物たちを守ることができる。
中学生が「琵琶湖の未来」を変えるために絵本を出版しました。
美しい色彩でのびやかに描かれる琵琶湖の魚たち。14歳の少年の琵琶湖や魚への愛があふれた絵本です。
「はじめてのびわこの魚」は滋賀県内の書店をはじめ、全国の書店、オンラインストアで販売されます。
A4判、48ページ。価格は1,650円。
能美舎
滋賀の地域情報を発信している「ピースマム」や「じゆうじかん」などのフリーペーパーを発行しています!
県内各地の情報に精通しているスタッフが、知られざる滋賀の魅力やイベント情報を深堀りしてお届けします♪