2025年の幕開けは、琵琶湖の水産物と農産物について。市場に出ない規格外の湖魚と野菜を調理してその恵みを美味しくいただき、加工食品にして産業を生み出そうという『ν-Bottom-Otsu(ニューボトム大津)』と、地域活性の支援をする『NPO法人環人ネット』の共催で実現した『びわ湖魚グルメ料理教室~市場に出ない規格外のびわ湖魚と野菜たち~』の現場レポート。
蓬莱駅にほど近い『蓬莱の家』よりお届けします。
有機野菜の生産者や琵琶湖の漁師そして料理人とともに既存の流通形態では扱われない滋賀の野菜や湖魚を用いたびわ湖産グルメを学び、美味しくいただき、食材の宝を一緒に発掘してみましょう。フードロスの実践とSDGsに貢献する行動です。
NPO法人環人ネットは(特定非営利活動法人コミュニテイアーキテクトネットワーク)は滋賀県での地域再生や地域活性化、に寄与するために2011年6月に設立した団体です。調査研究、情報発信、地域支援を事業としています。
社会のこと琵琶湖の自然環境のことに視点を置くことはとても大事です。目まぐるしく変化する現代社会の中で、“ 私たちはどう生きるか “が命題になっています。会員を中心とする活動現場を体験し参加者一人一人の近未来の活動の方向性やネットワークのあり方などを意見交換しています。
名付けて『答えは現場にある!現場研修会&交流会』湖東(’24/9/28)→大津(’24/12/21)→湖西(’25/3/22)→湖北(’25/4/12)と地元の活動現場を訪ねながら、琵琶湖を一周します。
第2回の大津は、ν-Bottom -Otsu(ニューボトム大津)と共催で『びわ湖魚グルメ料理教室』のスタートアップを支援しました。
参加者は男性5名、女性2名。規格外になる理由や加工品として販売できる可能性と対策などを学びながら、料理を教わりました。
“びわ湖のグルメ“と名付けられているように、メニューは多彩で季節のびわ湖魚と有機野菜が盛りだくさん。
メニューは、『死んでまもないヒウオと傷のついたカブと大きくなったケールのアヒージョ』『骨切りが手間で敬遠されがちで冬場は身の引き締まったニゴイと二股になったニンジン』『曲がったヒノナのアクアパッツア』『育ちすぎた九条ネギと大きさがまちまちなウグイとワカサギを唐揚げにした年越しそば』『キクイモとショーガの炊き込みご飯』『傷がついたり大きくなりすぎたサツマイモのぜんざい』です。
「一定の長さや大きさ綺麗さの同一品質が求められ市場に価値が出るのです。大きかったり小さかったり虫が食べた痕跡があったり曲がったり変形すると価値が出にくいのです」(ひら自然菜園、加地さん)。
「魚は適切な大きさで傷の少ないものが好まれがちで、調理しにくい魚は敬遠されますが、びわ湖で生きてる魚は美味しいのです」(フィッシャーアーキテクトで漁師、駒井さん)。
個性的な食材は微笑ましいほどユニークです。
ν-Bottom-Otsu(ニュー・ボトム・大津)は料理人「鼓邑や」主人の小村将治(こむらまさはる)さん「ひら自然菜園」の加地玄太(かじげんた)さん、フィッシャーアーキテクトで漁師の駒井健也(こまいたつや)さんで企画しています。
『つくるをつなぐ』をコンセプトに生産者が『つくるを大切に』でき、生産者ベースだからこそ生み出せる価値を創出し、未来に向けて消費者と共に価値を生み出す有機的な料理教室の第一弾(12回開催予定)
有機野菜生産者や琵琶湖の漁師、料理人と共に既存の流通形態では扱われない野菜や湖魚を味わいます。
今回は、冬場の身の引き締まって脂がのったニゴイと季節の野菜を組み合わせたアクアパッツアや、その場で食べるには申し分ない、死んでまもないヒウオ(生きたまま出荷するため、地元でもなかなか食べられない貴重な琵琶湖の宝石)と季節の野菜を組み合わせたアヒージョなど。
「料理教室の料理を缶詰やレトルトパックに充填して加工食品として求められる市場に流したいです。無駄なく琵琶湖の食材を食卓に届けることが努めだと思っています」(小村さん)。
【びわ湖のニゴイアクアパッツア】
ニゴイの頭を落とし鱗を剥ぎ、3枚に下ろします。ガリガリガリと骨から身を剥がし、骨切り(切り目を入れる)をし、適当な大きさにカットします。身は透き通りプリっと締まり脂が乗っています。油で揚げておきます。変形した黄色ニンジン紫ニンジン、傷のついたコカブ、収穫しずらい茎ブロッコリーを一口大にカットし、フライパンにニンニクとオリーブオイルを熱して野菜とニゴイをお好みの調味料で味付けし炒めます。
【びわ湖のヒウオアヒージョ】
ヒウオは釜揚げしておきます、育ちすぎたカリーノケール、曲がった日野菜、黒くなったインゲンを一口大に切り、芽の出たニンニクを潰してオリーブオイルで熱し、材料を入れ調味料で味を整え煮込みます。
【キクイモ、インゲンとショーガの炊き込みご飯】
キクイモを1cm幅でインゲン豆は数cmに切ります、ショーガは細かく刻みます。洗った米に適量の水を入れ、キクイモ、ショーガ、出汁、醤油、塩麹などを加えて炊飯します。
【ウグイ・ハスとワカサギ年越しそば】
骨が多く地元でも好まれない低利用のウグイ・ハスとワカサギを洗い、酒、醤油、塩麹を混ぜた調味液に漬け込み下味をつけます。米粉と片栗粉をまぶし油で揚げます。大きくなりすぎた九条ネギを一口大に切り、蕎麦つゆ(出汁、醤油、味醂)で煮込みます。蕎麦を湯がき唐揚げにした魚を乗せ九条ネギ入りのつゆをかけます。
【サツマイモぜんざい】
不揃いで大きくなったサツマイモ(シルクスイート)を切り、茹でておきます。アズキを茹でこぼしサツマイモを加えて砂糖を入れ味を整えた後、焼いた餅を加えます。
【交流会】
参加者からは「定期的に開催するために『こだわり滋賀ネットワーク』に協力を要請すれば?」「販路を調査する必要がある」「情報を提供する方法は?」「地域を絞ったり、分野別にアプローチするなど活動の方法を工夫すれば?」「開催頻度や場所を教えてほしい』「今回の参加者が多方面の分野(建築、宿泊業、交通系コンサルタント、まちライブラリー、料理人、生産者、漁師など)の方に出会えてよかった」と、お腹も話題もいっぱいの様子です。環人ネットの活動を「大阪のまちライブラリーでも取り入れていて新しい発見とメッセージを伝えています」
四季の自然と食と人と場が、琵琶湖とつながっているんだなあ、と胃袋で再確認しました。
皆様も、一度体験してみては?
料理教室は隔偶数月第4土曜日、次回開催は2月22(土)です。
希望の方は随時以下までお問い合わせください。
【問い合わせ先】
インスタグラムアカウント:newbottom_otsu
mail:new.bottom.otsu@gmail.com
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1956年大阪市生まれ。野洲市在住。(特非)コミュニテイ・アーキテクト近江環人ネットワーク理事長。
写真家の辻村耕司の妻。職業は編集者。一男一女を授かり夫の実家旧中主(ちゅうず)町にて三世代同居。
環境倫理雑誌M・O・H(もう)通信編集長を務めた。好きな言葉は「信頼と優愛」。
目標は“びわ湖から世界に羽ばたくバタフライエフェクト”を創ること。
1957年滋賀県生まれ。野洲市在住、(公益財団法人)日本写真家協会(JPS)会員。
1990年に滋賀にUターン後『湖国再発見』をテーマに琵琶湖周辺の風景や祭礼などを撮影。