お知らせ
2025.05.12

【しがライターReport】余呉湖の春は湖神祭で菊石姫を想う

余呉湖に春が来ました。余呉湖といえば羽衣伝説で知られています。
実は、もう一つの伝説があります。それは村の干ばつを救った『菊石姫』の伝説です。そして、その姫を忘れず余呉湖の恵みに感謝し、安全を願う『湖神祭』です。
余呉湖の春を“目玉石“からお伝えしましょう。

余呉湖に身を投じ蛇身になって雨を降らせた菊石姫の物語

  1. 目玉石の前のお供え
  2. 祝詞奉上
  3. 桜咲く湖岸から出船

余呉湖岸にある目玉石から湖上に出て安全を祈願する湖神祭が行われました。
仁明天皇の頃(9世紀半ば)、桐畑大夫の娘菊石姫が干ばつに苦しむ村人を救うため余呉湖に身を投じ蛇身となって雨を降らせました。
蛇と化した姫は乳母へのお礼として疫病の薬となる自分の目玉を湖中から投げ与えました。
目玉は石にあたり窪みを残します。また、姫が休んだ石を“蛇の枕石”と呼びますが干ばつの際、この石を地上に上げ雨を乞うと不思議に雨が降ると伝わります。
(1981年余呉町観光協会建立の石碑より抜粋)
宮司が祝詞(のりと)を読み上げ願いと感謝を伝え船上から祈ります。
連綿と続く祈りと感謝の祭礼、参列ご準備された皆様に感謝です。

「心清まる新鮮な気持ち」関係者の祈り

  1. 船上から御神酒を余呉湖へ
  2. 船上でお祓い
  3. 切麻(きりぬさ)を撒く

湖神祭は余呉湖漁業協同組合が執り行い湖上の安全を祈願します。
浅見長浜市長、前川観光協会長、湖北土地改良区前川課長を迎え、武友博次余呉湖漁業協同組合長をはじめとする組合関係者が参列し神事が執り行われました。
湖岸では宮司が祝詞を奉上し、“余呉湖の健やかな生き物と自然環境の循環”と“漁業の安全と繁栄、観光客の安全”を神に願いました。
その後、船上から余呉湖を清める神事が執り行われました。余呉湖ならではの風景です。
宮司のお祓いの言葉が余呉湖に染み渡る唯一無二の時間でした。菊石姫を敬い感謝する気持ちが表れているようでした。

能による余呉の羽衣伝説『湖北百景-羽衣舞う余呉』を長栄座で

  1. 目玉石の御幣越しの余呉湖
  2. 湖上から見るサクラと鯉のぼり
  3. 余呉湖から導水路へ、サクラとナノハナは満開でした

公益財団法人びわ湖芸術文化財団では滋賀県立文化産業交流会館(米原市)の2025公演プログラム〝芝居小屋「長栄座」夏のフェスティバル〟にて8月11日(月祝)14時開演予定の『湖北百景-羽衣舞う余呉』を上演されます。
湖北地域(滋賀県北部)の余呉湖や伊香には『羽衣伝説』が伝わっています。
能に『羽衣』という演目があることから、能楽組曲『余呉』の新企画でお楽しみいただけます。
企画:小林昌廣(前情報科学芸術大学院大学教授)、演出:片山九郎右衛門(観世流能楽師シテ方)
今回撮影した写真は第1部の『湖北につたわる羽衣伝説とは』にて上映予定です。
『湖神祭』の様子をごいっしょに追体験できるといいな。その後にお能を鑑賞できるなんて幸せな一日になりそうです。ワクワクが止まりません。

[チケット発売日]
チケット発売日は5月25日(日)
一般4000円/青少年(24歳以下)2000円全席指定
問い合わせは滋賀県立文化産業交流会館 8:30-19:00(土日祝は17:00まで)月曜日休館
〒521-0016 滋賀県米原市下多良2丁目137 電話:0749-52-5111

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レポーター紹介

文/辻村琴美・文化コーディネーター

1956年大阪市生まれ。野洲市在住。(特非)コミュニテイ・アーキテクト近江環人ネットワーク理事長。
写真家の辻村耕司の妻。職業は編集者。一男一女を授かり夫の実家旧中主(ちゅうず)町にて三世代同居。
環境倫理雑誌M・O・H(もう)通信編集長を務めた。好きな言葉は「信頼と優愛」。
目標は“びわ湖から世界に羽ばたくバタフライエフェクト”を創ること。

写真/辻村耕司・滋賀を旅する写真家

1957年滋賀県生まれ。野洲市在住、(公益財団法人)日本写真家協会(JPS)会員。
1990年に滋賀にUターン後『湖国再発見』をテーマに琵琶湖周辺の風景や祭礼などを撮影。

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