お知らせ
2025.10.10

【しがライターReport】自然を愛する若者たちよ、集まれ!「自然と未来フォーラム」琵琶湖で開催

「わたしたちはこの9月琵琶湖で自然と共生したい若者世代を集める自然と未来フォーラム実行委員会です★」
このフォーラムは「自然と共生する」ことを仕事やライフスタイルにとりいれたい若者たちが全国から集まって学びあってつながりあう合宿型のイベントです。学生、行政、民間、NPO、YouTuberがわりとガチで集まっちゃいまして、生き物多様性と人間多様性を大切に、「自然との共生型社会」を楽しく真面目に考えます。現地の自然や環境を学べるフィールドワークもあるよ!
広くて大きい視野と知識と選択肢に出会おう!待ってるよお~! お問い合わせは、自然と未来フォーラムで検索。
自然を愛する若者に琵琶湖は何を語るのでしょう?そして来年は何処に?ということで取材しました。

「自然を愛する若者たちよ、集まれ!自然と未来フォーラム2025」
 日時:9/14(日)~9 /15(月・祝)
 開催地:滋賀県希望が丘文化公園青年の城
 主催/共催:国際自然保護連合日本委員会(IUCN_J)、緋熊と黒潮
 企画:自然と未来フォーラム実行委員会
 対象:自然に関心のある15~35才の若者
 フィールドワーク
 ①食を通じて人と自然をつなぐ~湖魚と伝統漁法~ビワマスの刺し網漁体験。場所:和邇漁港、フィッシャーアーキテクト代表漁師の駒井健也。
 ②流域をつなぐ~小さな自然再生~家棟(やなむね)川の魚道とビワマス調査地見学。場所:野洲市総合体育館、滋賀県琵琶湖環境科学研究センター総合解析部門専門研究員の佐藤祐一。
 ③企業と風景をつなぐ~ラ コリーナと西の湖から学ぶ、自然と生き方のデザイン~。場所:ラ コリーナ近江八幡。成安造形大学未来社会デザイン共創機構/付属近江学研究所研究員・講師の田口真太郎。

ビワマスが産卵できる川をみんなで創る

  1. ビワマスの生息状況を説明する佐藤さん
  2. 据え付けられた魚道
  3. 川の中にバーブ工が設置されている

野洲市のビワマスプロジェクトは琵琶湖環境科学研究センターの佐藤さんが案内人です。
佐藤さんが「家棟川・童子川・中ノ池川に ビワマスを戻すプロジェクト」に取り組み20年が経過しました。「やってみなわからん」といわれた魚道設置とバーブ工つくりを通してビワマスの遡上を手助けした経緯と、念願のビワマスの遡上と産卵を、地域の仲間と確認した感動の瞬間を振り返りました。この動きは滋賀県下に広まっています。
野洲市の行政は伴走し、住民が主体となって失敗と成功を繰り返しながら、魚たちの動きを見つめ記録し気候と風土にあった装置を設置し遡上と産卵の手助けを繰り返しています。根気のいる作業ですが、行政の多様な部署の意思疎通が共通化した時に川の環境が生き物に寄り添ったものへと近づきます(魚道設置工事など)。
今、野洲市には“ビワマスウオッチャー”が増加中です。野洲駅周辺にビワマスが泳ぐ姿を見ることを楽しみに通学、通勤、散歩、ペットと一緒に川の様子をウオッチすることが習慣になる人も増加中とか。
メンタルを保つ秘訣を教えてくださいとの質問に「信念に自信がありました。相棒たちがいて、間違っていないと信じていました。運が良かったからかもしれませんが魚道つくりを試行錯誤していればビワマスは応えてくれる。という共通の夢があったから」、自然を愛する若者だからこそ伝えた本音も・・・。佐藤さんの新たな魅力が引き出されました。
フィールドワークをしている参加者からは「密漁はしないでほしいですね」と心配する声も。立場は違えど、未来の若者が心を寄せています。

ラウンドセッション

  1. 自然と共生する仕組みをつくる二人の話/美鳥さん
  2. 森本さんと美鳥さんグラフィックレコード
  3. やっぱり自然が好き!!他業界から戻ってきた二人の話/マーシーチャンネル登録した人手をあげて

ラウンドセッション
①学生時代から自然と共に歩み続ける二人の話し/赤石旺之&岸晃大
赤石さんは株式会社Wildlife Ventures代表取締役。鳥獣管理士2級。大学・大学院で野生動物管理学を専攻しマレーシアで人と野生動物の軋轢を研究されました。現在はゾウによる農作物・人身被害を防ぎつつ、蜂蜜生産で地域収入と生物多様性保全を両立するモデルを推進されています。岸さんはなごや環境大学環境教育コーデイネーター、特定非営利活動法人藤前干潟を守る会理事を務め愛知県の藤前干潟をフィールドに学生時代から活動する大の自然好き。現在は自治体との連携やラムサール条約COPへの参加を通じて政策と現場、多様な人々を繋ぐ繋ぎ人として活躍中。幼いころから生き物に関わり続け職業として実らせたお二人。「自然保護は仕事にならない」と言われることもある中でどんな努力があったのか。自然に対してまっすぐ向き合う姿勢を学びました。

②自然と共生する仕組みをつくる二人の話/森本優花&美鳥佳介
活動を継続する上でも社会全体を持続可能に変えていく上でも切り離せない経済と環境保全の両立。キリンホールデイングス株式会社CSV戦略部で環境に関連するプログラムを担当する美鳥さんと公益財団法人日本自然保護協会自然のちから推進部の森本さんの揺るぎない信念を学びました。美鳥さん(全国で唯一の名字)は教員からのキャリアアップです。「環境に対して説得力を持ってものを言うこと、目の前のことに思いやりを持っていくことが大事です。徳島で藍染をしますのでよかったら一緒に行きましょう」。森本さんは、「これまでのキャリアでは、自分には難しいだろうと思う険しい道を選び学び続けました。人生の目標を持つ道標を見つければ自分のやることが見えてきます。一緒に仕事をしていきましょう」。

③やっぱり自然が好き!!他業界から戻ってきた二人の話/マーシー&野間隆太郎
琵琶湖を拠点にする、マーシーさんは生き物YouTuberでチャンネル名「マーシーの獲ったり狩ったり」はチャンネル登録数44万人で、前職は不動産営業マン。野間さんは株式会社生態計画研究所主査研究員で、前職は和菓子屋さん。でも、やっぱり好きな自然に戻ってきたのです。似たもの同士はいるんですねえ。ファーストキャリアでは全く別の道を歩んだお二人。別の業界を経験したからこその強みを携え環境保全の世界にもどり、自身の力で道を切り開いてこられました。マーシーさんは「滋賀県を環境先進国にしたい。エコツアーガイドを始めます。小さい子どもたちに現地に来て、ガサガサして(網を水辺に入れてガサガサし生物採集すること)、ゴミ拾いをし外来生物が何で多いの?と考えることで将来のことを考えてほしい。僕はおじいちゃんになってもガサガサしたい」。野間さんは「生物が好き、水元かわせみの里だけでなく自分たちで山を購入し、たくさんの生き物の保全をしたい。狩猟免許も持っているので、自然と人をつなぐ食べ物の食育活動をしたい。生き物の命を捌いて食べる。自分がいただいた命に責任を持つことを伝えたい」。

④ゼロから始めて、みんなと共に活動を形にする二人の話/柏本ゆかり&向山遥温
MS &ADインターリスク総研株式会社勤務の柏本さんは千葉県印西市の「谷津コミュ」で都市部で働く忙しめ現役世代にゆるやかな自然との関わり方を模索。向山さんは、NPO法人夢ノ森伴走者CUE代表。小学生でごみ拾いを始め、中学生の時に防災士の資格を取得後、高校生で学生団体を立ち上げて環境啓発活動を展開。おじいちゃん家の裏山が荒れていることを知り、地域の方々と管理契約を結び里山再生を実施中。企画から運営をユース世代で行っています。お二人に、活動を始める第一歩やここに至るまでの経緯についてお話を聞き、業界の課題を話し合い、みんなで新たな活動の種を作ります。
②と③のラウンドセッションでは、若者の職業環境の獲得が大きな課題だなと感じました。熱心な質問と熱いやり取りが印象的でした。ここに“若者の自然と未来”がありました。彼らの夢が実現しますように応援をしたいです。
※敬称略

「来年の開催地と実行委員と資金援助募集中です!」自然と未来実行委員の稲場一華さん

  1. 自然豊かな未来を願う、稲場一華さん

自然と未来フォーラム2025無事終了しました。1回目は富士山のある山梨県、2回目は琵琶湖のある滋賀県です。
「琵琶湖を選んだのは大阪万博の会場になった夢洲が大阪湾の、渡り鳥の中継地であったことに関連します。開発することで淀川流域の自然を再生するつながりが絶たれることに危機を感じました。イベントを開催することで若い世代が就職を考えいろんな方とつながりを持ち淀川流域の自然再生をアピールできればと思いました」と稲場さん。
感想と今後を聞きました「琵琶湖では、フィールドワークが同時並行で3つも進み、関係者総勢80名越えのイベントになりました。私一人では絶対にできなかった運営をテキパキこなして、大きな問題なく回してくれた実行委員の皆さんに大感謝です、来年のイベントの運営ボランテイアメンバーと開催場所を募集しています」
資金援助も絶賛募集中です。一緒に仲間を作りませんか?楽しくて学びが多いですよおー!フィールドワークは面白い!!
“自然と未来”いいネーミングだなあ。未来は明るい兆しです。

#国際自然保護連合日本委員会IUCN-J@稲場一華
#緋熊と黒潮@小林海瑠
#自然と未来フォーラム実行委員会
#滋賀県希望が丘文化公園青年の城
#自然と未来フォーラム
#和邇漁港@駒井健也
#家棟川の魚道とビワマス調査@佐藤祐一
#ラ コリーナと西の湖@田口真太郎 

レポーター紹介

文・写真 /辻村 琴美

ライターで文化コーディネーター
1956年大阪市生まれ。滋賀県野洲市在住。(特非)コミュニテイ・アーキテクト近江環人ネットワーク理事長。
写真家の辻村耕司の妻。職業は編集者。一男一女を授かり夫の実家滋賀県の旧中主(ちゅうず)町にて三世代同居。
環境倫理雑誌M・O・H(もう)通信(2003~2016)編集長を務めた。
好きな言葉は「信頼と優愛」。
目標は“びわ湖からつながりのバタフライエフェクト”を創ること。

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