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2025.09.16

【しがライターReport】8月27日は初の国連記念日「世界湖沼の日」

1984年8月27日第一回世界湖沼会議が滋賀県で開会されてから40年の時を経て、8月27日を「世界湖沼の日」に制定することが、昨年末の国連総会にて満場一致で決まりました。
初の国連記念日「世界湖沼の日」を迎えた2025年8月27日に、記念イベント「みんなのBIWAKO会議/COP4」が大津市打出浜のびわ湖ホールで催され、行政や環境団体の関係者およそ370名が集い交流を深めました。

「琵琶湖を鏡に暮らそう」MLGsみんなのBIWAKO会議/COP4

  1. 県内の団体も舞台に登場
  2. 鳥取県平井知事、島根県丸山知事もオンラインで登場
  3. Rキッズも発表

フォーラムでは、国連広報センターやインドネシアからも初の国連記念日「世界湖沼の日」を祝うメッセージが届きました。
フォーラムの中で三日月大造知事が近畿約1450万人の暮らしを支え、生物を育む琵琶湖の多様な価値と、アユ漁獲量の減少の要因と見られる気候変動にも触れながら「琵琶湖を鏡にして暮らしを見つめ直し、琵琶湖を窓とし気候変動や生態系を見ていきましょう」と呼びかけました。
中海(なかうみ)や宍道湖(しんじこ)を抱える鳥取県の平井伸治知事、島根県の丸山達也知事と中継を結び、連携していくことを確認しました。

会場には多くの子どもたちや滋賀県立大学の学生など若者が参加していました。
オーストラリアで2025年7月に開かれた第20回世界湖沼会議に参加した中高生による報告、大津市内の小中学生グループ・プラごみ研究会「Rキッズ」は琵琶湖のマイクロプラスチック問題を紹介し、「マイ容器」を広げる活動を報告しました。
Rキッズによるプラ容器の削減に向けた取組みに共感し、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。

当日のゲストパネラーとして登壇された、俳優・タレントの田中律子さん(NPO法人アクアプラネット代表)は沖縄のサンゴの保護活動を紹介し、MLGs広報大使でもある滋賀県出身の元モーグル五輪選手・伊藤みきさんも世界的な雪の少なさを感じた経験を話されました。また、MLGs案内人幹事である(一社)北の近江マザーレイク共創会議・代表理事の三和伸彦さんからは、MLGsの推進状況について説明がされました。
今回の会議の主催は、県やNPO等で構成する「マザーレイクゴールズ(MLGs)推進委員会」です。

「森や川とのつながり一段階下がる」↓️ MLGs Goal 6

  1. MLGs Goal 6について説明する水野敏明氏(滋賀県立琵琶湖環境科学研究センター)
  2. 河川の土砂流出による悪影響
  3. 江戸時代愛知川に造られた「猿尾」の痕跡

琵琶湖版SDGsのマザーレイクゴールズ(MLGs)目標の評価報告では、全13ゴールの評価は昨年と大きく変わらないものの、Goal 6「森川里湖海とのつながりを健全に」項目が昨年より1ランク低下しました。
傾向を見ると昨年の「改善している↑」から「変わらない️→」に下がっています。
水田と湖魚など生きものの行き来を確保する「魚のゆりかご水田」が広がっている一方、河畔林や森に太陽光パネルや風力発電所の設置などによる土砂流出などで、減災機能の悪影響を危惧する恐れが指摘されています。

「ビワマス新種記載」「次の新種候補は琵琶湖のアユ?」MLGs Goal 2

  1. ビワマス新種記載を報告する馬渕浩司氏(国立環境研究所琵琶湖分室)
  2. 産卵前に湖岸に集まるアユ(9月の近江舞子)
  3. 琵琶湖と他の地域のアユの違いを報告する馬渕浩司氏(国立環境研究所琵琶湖分室)

Goal 2「豊かな魚介類を取り戻そう」は昨年同様、状態は「悪い」、傾向も「悪化している」状況で、漁獲量の目立った回復はありません。

2025年6月21日付けの国際学術誌にて、ビワマスが琵琶湖固有の新種として記載され、新たな学名Oncorhynchus biwaensis が与えられました(サクラマスやヤマメとは遺伝的にも形態的にも異なる独立の種)。
実は琵琶湖のアユも、新種(新亜種)になってもおかしくないほど他の地域のアユと異なっています。琵琶湖のアユは産卵期が早く、卵が小さく、縄張り行動が激しいといった特徴があります

「木育施設しがモック(滋賀県立近江富士花緑公園内)に期待」→ MLGs 9

  1. 三上山の麓に広がる公園に「しがモック」
  2. 木製遊具で遊び放題
  3. 比良山地をイメージした遊具

木育施設しがモック(滋賀県立近江富士花緑公園内)」に期待する評価がありましたのでご紹介しましょう。
Goal 9「生業・産業に地域の資源を活かそう」は昨年と同じく「変わらない→」ですが少し上向きの⤴︎変わらない評価です。
「琵琶湖森林づくりパートナー協定」を結んだ企業が34企業と伸長傾向にあります。

2025年8月、木育施設「しがモック」が野洲市北櫻の滋賀県立近江富士花緑公園内にオープンしました。
びわ湖材をふんだんに使った木の空間で、木のおもちゃや遊具、木工体験ができる施設です。コンセプトは「山と湖と人をつなぐ木育」で、「世界農業遺産」の位置付けも学べます。びわ湖材に囲まれて遊んでいるうちに木を好きになれる、そんな空間を楽しんでください。来年に期待です。
マザーレイクゴールズMLGs13のゴールが上向きますように、皆さんのご協力と活発な取り組みを天に祈ります(私も楽しみながら協力します)。

#マザーレイクゴールズMLGs推進委員会
#田中律子
#伊藤みき
#滋賀県琵琶湖環境部琵琶湖保全再生課
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#木育施設しがモックに期待中村貴子
#次の新種候補は琵琶湖のアユ?馬渕浩司
#森や川とのつながり一段階下がる水野敏明
#海と日本プロジェクトin滋賀県

レポーター紹介

文/辻村 琴美

ライターで文化コーディネーター
1956年大阪市生まれ。滋賀県野洲市在住。(特非)コミュニテイ・アーキテクト近江環人ネットワーク理事長。
写真家の辻村耕司の妻。職業は編集者。一男一女を授かり夫の実家滋賀県の旧中主(ちゅうず)町にて三世代同居。
環境倫理雑誌M・O・H(もう)通信(2003~2016)編集長を務めた。
好きな言葉は「信頼と優愛」。
目標は“びわ湖からつながりのバタフライエフェクト”を創ること。
特徴は夫を「ダーリン」と呼ぶ。現在は夫と猫の六兵衛の3家族。
先代猫の太郎を交えた『にゃんこといっしょ』(2023)自費出版。

写真/辻村耕司

滋賀を旅する写真家
1957年滋賀県生まれ。野洲市在住、(公益財団法人)日本写真家協会(JPS)会員。
1990年に滋賀にUターン後『湖国再発見』をテーマに琵琶湖周辺の風景や祭礼などを撮影。

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