滋賀県では、湖魚が産卵・成育できる水田環境を取り戻そうと「魚のゆりかご水田プロジェクト」が各地で行われています。
琵琶湖の固有種ニゴロブナやコイ、ナマズなどは、田んぼを含む琵琶湖の沿岸域で産卵し、稚魚はある程度成長すると沖合へ出ていきます。そんな田んぼは「魚のゆりかご」といわれ、魚類にとって絶好の産卵・繁殖場所です。
近年、この環境配慮型の農地づくりが注目され、環境・生きもの・景観といったものを取り戻そうという動きが広まってきました。
そのうち、野洲市須原の「魚のゆりかご水田」では、9月2日におよそ100人の親子連れが参加して稲刈りが行われました。みなさんが一生懸命収穫した新米は、環境にこだわった米として販売されます。
平成29年現在、県内25地区で魚のゆりかご水田に取り組まれています。網を持って魚つかみをする子どもたちの歓声、温かい眼差しで見守る農家・・・目指すのは、環境、生きもの、そしてかつての生命あふれる景観です。