近江八幡市の北端、琵琶湖岸に面した伊崎山に立地する「伊崎寺」では、毎年8月1日にあるユニークな行事が行われます。それは、琵琶湖に突き出した棹の先端から褌姿の行者が7m下の湖面に飛び込む「伊崎の棹飛び」!伝承では1000年近く続いてきたといわれており、文献的にも16世紀にはすでに行われていたことが確認されています。
長さ約13mの太い棹は”人生”を象徴しています。行者は人々のさまざまな願いを背負って棹の先まで歩きます。そして自分の身よりも人々の願いのためにわが身を捨ててそこから飛び込み、また”陸に帰る=生まれ変わる”のです。
棹飛びは毎年正午ごろから行われます。現在は飛込み行事は行者のみで、一般の人は参加できません。昨年は大津市の比叡山延暦寺で百日回峰行を終えた28~44歳の僧侶12人が挑みました。琵琶湖の水と信仰が結びついた、ありがたい行事です。
アクセス:JR近江八幡駅から近江鉄道バスで約30分
写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー