琵琶湖の南東にある草津市の烏丸半島はかつて、国内最大級のハスの群生地でした。その広さはおよそ13ヘクタール、甲子園球場のグラウンドのおよそ10倍にもあたります。毎年夏になると可憐なハスの花が琵琶湖面を覆い、多くの観光客で賑わってました。でも2016年、突然そのハスが消滅してしまったのです。湖底の地質が変わったことなどが原因とみられています。琵琶湖の美しい風景の消滅に、多くの滋賀県民が悲しみました・・・。
そこで同じ烏丸半島にある「水生植物公園みずの森」では、新たなハスの観光名所を作ろうと、2017年から園内の池にハスを咲かせる市民参加型のプロジェクトがスタート。今月17日には、地元の小学校や幼稚園から子どもたちが訪れ、レンコンの植え付けに挑戦しました。
まずは土作りから。大きな鉢に入った田んぼの土に肥料や水を加え、よく混ぜ合わせます。粘り気のある泥を練るのはひと苦労!参加した子どもは「きれいに育ってほしい」と、手を泥だらけにしながらレンコンを埋めていました。この日に植え付けられたものは植物園の池に並べられ、6月下旬ごろには花が見られるということです。
ハス群生地の消滅を目の当たりにした時、大切な自然がこんなにも一瞬で壊れることもあるのだと学びました。琵琶湖、琵琶湖から流れる河川、そして海を守るためには、ただそのままにしておくだけでなく、ときには私たち人間が積極的に関わり、自然の異常を察知することも必要なのですね。
※写真は2枚ともハス消滅前に烏丸半島で撮影されたものです