7月1日、今日は「びわ湖の日」です。滋賀県では一年を通じて、美しい琵琶湖を引き継ぐためのさまざまなな活動が行われていますが、この日の前後はとくに、県内全域で湖岸や河川、道路などの清掃活動が行われるなど、琵琶湖への思いをみんなで共有する象徴的な日となっています。この「びわ湖の日」はどのように制定されたのでしょうか?
1977年(昭和52年)5月、琵琶湖に淡水赤潮が大規模に発生しました。赤潮とは、水中の植物プランクトンが大量に増えることで、海や湖が赤褐色に変わる現象です。琵琶湖に発生した淡水赤潮は、水道水から異臭がしたり、養魚場のアユやコイが死んでしまったり、様々な被害をもたらしました。この淡水赤潮の原因の一つは、合成洗剤に含まれているリンでした。
そこで立ち上がったのが滋賀県のお母さんたち!自分たちの力で琵琶湖をきれいにしようと、リンを含む合成洗剤をやめて粉石けんを使う「石けん運動」を始めました。
そして1980年(昭和55年)7月1日、滋賀県は全国に先駆けて、琵琶湖の富栄養化の原因となる窒素、リンの排出規制などを定めた「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」、通称「琵琶湖条例」を施行しました。翌年には、琵琶湖条例の施行1周年を記念して、7月1日が「びわ湖の日」と定められました。
最近では赤潮はほとんど発生していません。一度は人の手によって汚れてしまった琵琶湖ですが、同じ人の手によって、再び美しい姿へと戻ったのです。毎年7月1日が近づくたびに私たち滋賀県民は、琵琶湖へと注ぐ山や川からの水、琵琶湖、琵琶湖から流れ出る河川、そして海へと、環境を大切にする思いを馳せています。
写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー