お知らせ
2024.07.03

【しがライターReport】滋賀の水中花バイカモを見るなら今!

初夏ですねえ。蒸し暑くて日差しが強くなってきました。そんな時は滋賀の川辺で涼んでみませんか?田んぼや集落の小川には山からの清涼な伏流水が流れています。
民家では”川戸”と呼ばれる階段上の洗い場で野菜を洗ったり洗い物をしたり時には魚を捕まえて暮らしを営んできました。
小川に近づくと風が流れています。水の中には緑の葉っぱがゆ~らゆら。葉っぱの中には白い花弁に黄色い雄蕊がちろちろと小さな梅の花のよう。
これがバイカモ(梅花藻)です。バイカモはキンポウゲ科の多年草の水草で花が梅花に似ていることからバイカモと呼ばれています。
冷涼で流れのある清流中に生育し初夏から最盛期を迎えます。
今回は、滋賀県でバイカモを愛でてみましょう。

 

 

マキノのバイカモは視界360度

  1. バイカモが咲く水路、右手に比良山系、振り返ると敦賀につづくマキノの山々
  2. 三国山湿原のキンコウカ群落、木道整備は谷口さん達がされています
  3. 今回案内してくださった谷口良一さん、メタセコイア並木が背景

「マキノ町」は高島市の北端に位置し北と西は福井県に接し、南と東は琵琶湖に接しています。敦賀から比良まで360度の視界が広がる田んぼの小川に咲き揺れるのが”マキノのバイカモ”です。
扇状地にある田んぼを潤す山の恵みの伏流水(湧水)が流れる川には、バイカモがユラユラと揺れています。
体験民宿四季の森のオーナーで高島トレイル連携協議会会長の谷口良一さんに見所を案内していただきました。
「マキノのバイカモは蛭口(ひるぐち)、沢、新保集落周辺の伏流水が流れる田んぼの中の川で見られます。コンクリートの2面護岸ですが今が見ごろですよ。川戸も残っています。マキノのバイカモの良さは、視界が広がる田園地帯で地層の成り立ちが見えるスケール感です」。
目線を上げると遠景に山脈が見えます。
マキノ町南部は粘板岩等の堆積岩の山でそこから流れる百瀬川の扇状地は黒い砂礫です。
北部は花崗岩の山で明王の禿(みょうおうのはげ)は山肌が露出しています。そこから流れる八王子川と合流する知内川の下流には白砂青松のマキノサニービーチがあります。
「地名には黒河(くろこ)峠、八王子、敦賀など古代(神話の時代)の記憶が刻まれ、湖上交通の要請として栄えました。百瀬川ではハス、ニゴイ、アユを投網で体験する親子教室も開催します。明王の禿付近には三国山湿原があり希少なキンコウカも見られます。”体験民宿 四季の森”に連絡ください」。
谷口さんの案内は奥が深く広い視野で風景を解説してくれます。バイカモを利用して?地名の由来は?谷口さんに聞いてみましょう。夏休みの自由研究になりそう。

 

米原市旧中山道醒井(さめがい)宿地蔵川のバイカモは旅気分

  1. 岩の下から湧く居醒の清水
  2. 醒井のバイカモ
  3. 魚が泳ぐ地蔵川

米原市醒井(さめがい)の地蔵川は居醒の清水(いさめのしみず)が源、水温は年間を通して14度ほど、希少な淡水魚のハリヨも生息しています。
居醒の清水は平成の名水100選にも選ばれました。JR醒ケ井駅から500mほど、川戸も随所にある地蔵川のバイカモは滋賀県随一と言われています。宿場の街並みとバイカモは郷愁を誘います。暑くなる日はゆっくり涼みにきてください。

 

能登川のバイカモ

  1. 垣見町の水路で咲くバイカモ
  2. お寺の石垣にあったバイカモの案内板
  3. かつてはハリヨが生息していた

JR能登川駅近くの垣見町にもバイカモが自生しています。
住宅街の道路脇の水路に咲くバイカモは湧水や自噴井戸が残る能登川の水の豊かさのシンボルです。

※花崗岩はマグマが地下深部で固まった火成岩の一種、色は白っぽい。
※粘板岩は泥が堆積し圧力による変成を受けて固く緻密になり薄板状に割れやすくなった岩石、色は黒っぽい。
※三国山湿原植物群落保護林は高島市三国岳南東側斜面に位置し三国岳が西限の希少な湿原植物キンコウカ等の保護が目的とされています。
※キンコウカは高さ20~40cmになる多年草の山野草。6~9月に黄色い花が咲く。葉は剣状線形で中脈から左右が表面を内側に折りたたまれている。

#バイカモ
#谷口良一
# 体験民宿四季の森
〒5201837 滋賀県高島市マキノ町白谷344 Tel 090-6664-8574
URL:http://nature-makino.sakura.ne.jp/
#高島トレイル連携協議会会長
#醒ケ井宿
#能登川バイカモ
#海と日本プロジェクトin滋賀県
#コミュニティアーキテクト辻村琴美

 

レポーター紹介

文/辻村琴美・文化コーディネーター

1956年大阪市生まれ。野洲市在住。(特非)コミュニテイ・アーキテクト近江環人ネットワーク理事長。
写真家の辻村耕司の妻。職業は編集者。一男一女を授かり夫の実家旧中主(ちゅうず)町にて三世代同居。
環境倫理雑誌M・O・Hもう通信編集長を務めた。好きな言葉は「信頼と優愛」。目標は“びわ湖から世界に羽ばたくバタフライエフェクト”を創ること。

写真/辻村耕司・滋賀を旅する写真家

1957年滋賀県生まれ。野洲市在住、(公益財団法人)日本写真家協会(JPS)会員。
1990年に滋賀にUターン後『湖国再発見』をテーマに琵琶湖周辺の風景や祭礼などを撮影。

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