琵琶湖博物館の水族展示室入り口にある水を抜いたトンネル水槽。魚が泳ぎ、子どもたちが目をキラキラさせて見上げていた水槽も、現在は魚が一匹もいません。びわはくのシンボルともいえるトンネル水槽の復旧を目指し、琵琶湖博物館は現在、クラウドファンディングに挑戦中です。
2月10日にビワコオオナマズの大型水槽が破損し、約100トンの水が流出した琵琶湖博物館。全ての水槽を点検したところ、トンネル水槽のドーム型アクリル板に5ミリほどのクラック(ひび割れ)が見つかり、強度に疑問が示されたことからトンネル水槽の水を抜くことに。トンネル水槽で飼育していた生物は館内の別の水槽やバックヤードの水槽で一時的に飼育しています。
現在、合計13基の水槽の補修や再建を計画中ですが、第一弾として同館のシンボル的存在のトンネル水槽の復旧を目指し、トンネル水槽のアクリル板交換費用として500万円をクラウドファンディングで募っています。
返礼品はバックヤードツアーや水族飼育員なりきり体験、オンラインで学芸員に質問ができる権利、館長と共に館内を回るツアー、オープンラボでの学芸員の研究体験など。
琵琶湖博物館の高橋啓一館長は「博物館の裏側を見て、学芸員と接してもらうことで、どのような研究をしているのか、どのような思いで展示を作っているのかを知ってもらい、博物館のファンになってもらえるような返礼品にしました」と話します。
トンネル水槽は、最大水深6mの琵琶湖博物館の水族展示室の中で最大の水槽です。淡水の水槽としては国内ではあまり類を見ない大きさで、コイやフナ、ナマズ、ビワマスなどが泳ぐトンネルをくぐり、魚を見上げ写真を撮影できることから来館者に人気があります。
「トンネル水槽を復旧してほしい」という声が多く博物館に届いているそうです。
館内の「応援メッセージコーナー」には、来館者が書いた水族館やビワコオオナマズへの応援メッセージが掲示されています。その数2500枚以上。
高橋館長は「多くの人に応援されていると感じています。応援してくれる皆さんと共に復旧したい」と話します。
15日10時にクラウドファンディングを始めると、1日で支援金額は100万円を突破。11月30日現在、約360万円の支援が集まっています。支援者からは「1歳の息子が初めてトンネル水槽に入った時のキラキラと輝いた笑顔が忘れられない」「トンネル水槽は人々を琵琶湖の中へ誘うステキな空間」と博物館、トンネル水槽へのメッセージが寄せられています。
今年度はひび割れが見つかった10基の水槽のアクリル板の交換を予定。来年度は、点検中に破損した「ふれあい水槽」、破損は見られなかったものの、ビワコオオナマズ水槽と同じ構造なので安全面に配慮して再建することになった「コアユ水槽」、破損したビワコオオナマズ水槽の3基の水槽の再建を計画。
琵琶湖博物館の建築時に水槽を先に作ってから建物を造ったビワコオオナマズ水槽は、同じ形状では再建が不可能で、設計から考え直し、一からの再建になります。
来年度にはビワコオオナマズ水槽の再建を目指して再度クラウドファンディングを実施する予定です。
高橋館長は「博物館の研究を理解して、支えてくださる人が増えることを願っています」と呼びかけます。
現在、琵琶湖博物館が挑戦中のクラウドファンディングは2024年1月31日まで支援を受け付けています。
水族展示復活へ!トンネル水槽再生にご支援を 琵琶湖博物館【第1弾】
https://readyfor.jp/projects/biwahaku2023
琵琶湖博物館
草津市下物町1091
TEL::077-568-4811
開館時間:9時30分 ~17時(最終入館 16時)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館)
入館料:大人=800円、高校生・大学生=450円、中学生以下無料。
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