琵琶湖の西、大津市木戸の県道沿いに7月末、”小さな水族館”がオープンしました。
その名も「びわこベース」。
白壁の建物の中に入ると、117の水槽がずらりと並んでいて、国内各地の魚や両生類など115種、約300匹が飼育されています。
実はこの「びわこベース」、ただの展示スペースではありません。工事などで住みかを追われた生き物たちの保護などを目的としているんです!
一時的にせき止められる川の生き物を、他の場所に移して守る取り組みを「生息域外保全」と言い、SDGsなどの観点から、近年注目されています。
「びわこベース」では、すでに工事を行う企業などからの依頼を受け、多くの生き物が保護されています。
主催しているのは、大津市に住む自然写真家の関 慎太郎さん。これまで、琵琶湖博物館の飼育員や京都水族館の副館長などを務めてこられました。
様々な生き物の飼育や繁殖方法など、プロとしての知見を持つ関さんは、この場所を生き物の「生息域外保全」活動の拠点にもしたいと考えているそうです。
取り組みに賛同した学生らがスタッフとして飼育技術を学ぶ場にもなっているほか、訪れた子どもたちが生き物と触れ合ったり、身近に講演が聞ける場としての活用も期待されています。
里、川、湖、海はつながっています。川の生態系の変化は、琵琶湖や海の環境にも影響を及ぼします。生き物たちを未来に残す橋渡しの手助けをするため、身近な生き物の魅力を発信しつつ、新たな人材を育成する、「びわこベース」の今後の発展に注目です。
小さな水族館 びわこベース
住所/大津市木戸1383-1
開館日/毎週金曜日、土曜日、日曜日、祝日
開館時間/10:00-17:00
入場料/子ども:無料、大人(18歳以上):300円