きらきら光る丸くてかわいい「琵琶湖グラス」。アクセサリーやアートフレームなどの作品にも使われている琵琶湖グラスですが、実は琵琶湖の漂流ごみなのです。
漂流ごみを価値のあるものにする「アップサイクル」に取り組む南あきさんの思いに迫ります。
司会業やキッズダンスのイベントプロデュースをする「Aカンパニー」代表の南あきさんが、2020年、コロナ禍の琵琶湖で見つけた漂流ガラス。滋賀県内の川や琵琶湖に何年も前に捨てられ、琵琶湖の波にもまれて角が取れ、小さく丸くなったガラスのかけらです。
南さんは誰もいない琵琶湖岸を歩き、ごみを拾いながら漂流ガラスを集めました。イヤリングやピアスを作ってインスタグラムに掲載したところ反響があり、「琵琶湖グラス」と名付けて商品化しました。
南さんは「ごみがたくさん漂流している湖岸を見て、ただごみを拾うだけではおもしろくない。『琵琶湖に行ったら何かある』と思わせる目玉がないかと考えました」と振り返ります。
アクセサリー作家さんに依頼して「琵琶湖グラス」の作品を作ってもらって販売を始めました。
現在は大津港サイクルステーション「o-portable(オーポータブル)」の「バードカフェ」のほか、おごと温泉びわ湖花街道、久大家具(大津市堅田)、魚富商店(同)、ここ滋賀(東京都)などで販売しています。
南さんは琵琶湖グラスを探すとき、大津市指定の45リットルのごみ袋を持って琵琶湖に向かい袋がいっぱいになるまでごみを拾います。前日にごみ拾いをしても、翌日には流されてきたごみがあり驚くことも。
「ごみ袋いっぱいにごみを拾っても見つかる漂流ガラスは一握りほど」とのこと。琵琶湖岸にはペットボトルやビニール袋、こたつが落ちていたこともあるそうです。
「子どもたちにも琵琶湖の現状を伝えたい」と、参加者と共にごみを拾い、漂流ガラスでオリジナル作品を作るワークショップ「楽SDGs」も始めました。
南さんは「子どもたちに『これは何?』『どうしてこんなことになるの?』と問いかけ、ごみを捨てないことと、ごみのアップサイクルについて知ってもらいたいと思っています。『どうしたらいいと思う?』と聞くと、子どもたちは『捨てたらあかん』と言ってくれます」と話します。
琵琶湖のごみについて学んだ後はフレームや缶ペンなどに琵琶湖グラスを飾り付け、作品を作ります。南さんは子どもたちに「夏休みに琵琶湖に行って拾ってみてね。アーティストになって作ってみよう」と呼びかけます。
「社会課題を解決したい」と話す南さんにとってのSDGs目標は「2030年までに琵琶湖グラスをなくして廃業すること」。
一見矛盾するように思えますが、南さんにとってのゴールは「琵琶湖グラスをはじめとする琵琶湖のごみをなくすこと」だそうです。
琵琶湖グラスを事業として持続できなくなるほど琵琶湖岸がきれいになること。それが南さんの願いです。
南さんは「2030年までに琵琶湖グラスがなくなればいい。それまでは広める活動をしていきたいです」と話します。
「きっと、2030年に琵琶湖グラスを廃業しても、また次のおもしろいことを見つけて活動すると思います」と笑顔を見せます。
琵琶湖グラスのワークショップは、
6月24日・25日、イオンモール草津で開催される「びわ湖の日 親子で楽しむ環境イベント」と、7月1日ここ滋賀で体験できます。
①「びわ湖の日 親子で楽しむ環境イベント」
6月24日・25日 11:00~16:00
イオンモール草津 1Fセントラルコート
琵琶湖グラス工作体験(缶ペン)は11時30分~、13時40分~、15時~。
各回30分前より会場にて整理券を配布。
参加無料。
イオンモール草津イベント情報はこちら
②ここ滋賀「琵琶湖グラスワークショップ」
琵琶湖グラスを使用したワイヤーアクセサリー作り
7月1日(土)15:00~16:20
事前申込制、定員14名[先着順]
中学生以上対象
参加費2,000円。
ここ滋賀ワークショップ詳細はこちら
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