破損した水槽で飼育していたビワコオオナマズ(写真提供:琵琶湖博物館)
破損したビワコオオナマズ水槽の再建に向け、琵琶湖博物館が現在、クラウドファンディングに挑戦中です。
琵琶湖・淀川水系のみに生息する固有種のビワコオオナマズ。1996年の開館時に、大型の円柱状のビワコオオナマズ水槽を設置してから建物を造り、27年間、琵琶湖博物館のシンボルとして愛されてきましたが、2023年2月10日にビワコオオナマズ水槽が破損しました。ミュージシャンの西川貴教さんが一日館長として来館する直前だったこともあり、多くの人から注目された水槽破損。1年半がたち、琵琶湖博物館はビワコオオナマズ水槽の再建に向け、クラウドファンディングを始めました。
2023年11月から2024年1月にかけて実施したクラウドファンディング第1弾では、796人から1,159万3,000円の支援が集まり、館内の7基の水槽のアクリル板を交換。現在、ビワコオオナマズ水槽とコアユ水槽、ふれあい水槽以外の水槽は展示を再開しています。
第2弾になる今回のクラウドファンディングでは、目標金額を2,000万円に設定し、ビワコオオナマズ水槽とコアユ水槽の再建を目指しています。
ビワコオオナマズ水槽とコアユ水槽は設計を見直し、一から作り直すため、再建費用は約1億8,000万円を見込んでいます。
新ビワコオオナマズ水槽は安全面に配慮し、以前のような円筒形の水槽ではなく平面を組み合わせた縦2メートル、横3.9メートル、奥行き2.1メートルの四角い水槽に。擬岩などを配置して琵琶湖の岩場を再現。ビワコオオナマズ1匹を飼育展示します。
水槽の裏側には幅3メートルごとに区切った3つの水槽を設置し、ビワコオオナマズ、イワトコナマズ、ナマズ(マナマズ)をそれぞれ1匹ずつ飼育展示。
裏側の水槽は下を通り抜けられるように設計されています。一般的な展示では見ることができない「ナマズの腹部」を見てナマズの種類を見分ける観察ができます。
破損は見られなかったものの、ビワコオオナマズ水槽と同じ円筒形だったコアユ水槽も再建します。
縦1.5メートル、横1.8メートルの新コアユ水槽ではコアユを飼育展示。コアユは琵琶湖の魚の中でも私たちの生活と深い関りがあります。水槽の右側には、琵琶湖の「エリ漁」で使う網を展示し、左側にはコアユの漁獲情報などを紹介するコーナーを設けます。
2025年3月までにビワコオオナマズ水槽とコアユ水槽を再建して水を入れ、魚を慣らすなどの準備を経て同年5月ごろの展示再開を目指します。
クラウドファンディングのリターンには、琵琶湖博物館をより身近に感じることができるようなものを用意しています。
バックヤードツアーやナイトツアー、展示の掃除体験、飼育員体験、学芸員の研究体験、広報用写真のモデルになれる権利、一日貸し切りなど。1回目のクラウドファンディングでは、バックヤードツアーに参加する親子も多かったそうです。
普段は見ることができない琵琶湖博物館の裏側を体験してみませんか?
同館館長の亀田佳代子さんは「今回は設計から作る大掛かりな工事となり、多額の費用が必要となります。皆さんと共に新しい水槽を作り、琵琶湖の魅力を発信していきたいと思います。今までより魅力的な展示となるように頑張りたい」と意気込みを見せます。
現在、琵琶湖博物館が挑戦中のクラウドファンディングは2024年11月25日まで支援を受け付けています。
新ビワコオオナマズ水槽誕生にご支援を!|琵琶湖博物館【第2弾】
琵琶湖博物館
草津市下物町1091
TEL::077-568-4811
開館時間:9時30分~17時(最終入館 16時)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館)
入館料:大人=800円、高校生・大学生=450円、中学生以下無料。
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