八風窯(はっぷうよう)の中根啓さんから「琵琶湖の至宝ビワマスの稚魚発見」のお知らせがありました。中根さんは手作り陶器を焼く『ハプーのやきものやさん』です。
時を同じくして、中根氏の三男で陶芸家の楽(ガク)さんの作品「Seed:種」がフランス・パリで行われたロエベクラフトプライズ2024のファイナリストに選ばれというニュースが飛び込みました。
啓さんの八風窯は川と山の自然の中で、「食べる手を授ける器あかるくゲンキな食卓の友みんなみんなのパクパクすくすくをオーエンする器」を生み出しています。
家族は手作り器の啓(ケイ)さん(67才)、染色と織物の里美サトミさん(61才)、彫金作家の嶺(レン)さん(34才)、コンピューターグラフィックデザイナーの律(リツ)さん(31才)、陶芸家の楽(ガク)さん(28才)。それぞれが高度な技術を有するものつくり職人という、クリエイテイブファミリーです。
川を身近に感じさせてくれる琵琶湖の至宝ビワマスと、ロエベクラフトプライズ2024ファイナリストの中根楽さんにフォーカスしました。
ビワマスは、琵琶湖の固有種でサケ科に属し琵琶湖での回遊生活を2年半~3年半ほど経た後、10月~11月になると産卵のため生まれ故郷の河川を遡上するという生活史をたどります。
啓さんは「現代の山、川、田んぼが遠くなった暮らしの中で、ビワマスが川との出会い直しをしてくれているようです。琵琶湖と川と山と田んぼと人をつなぐ美しい使者のようです。産卵に向かう姿を見ていると自然の中で手を動かして器を作れることがうれしいし、この風土が愛おしくなります」と、うれしそう。
ビワマスに会うと人はなぜか喜ぶ。これが“琵琶湖の至宝”と言われる由縁でしょうか。
※ビワマスは準絶滅危惧種として保護され、10月から11月は採捕禁止期間です。
漁業と遊漁とのトラブルを防ぐため、トローリングでのビワマス釣りを行う場合は滋賀県に事前の申請が必要です。
ビワマス
有漁者による船舶を用いたビワマスの釣りの承認制について
ロエベ(LOEWE)は140年の歴史を持つスペイン王室御用達としても知られる由緒正しいハイスペックブランド。現代のクラフトマンシップにおける卓越性、芸術性、新しさを紹介する「ロエベ財団クラフトプライズ」、第7回目となる2024年は30人のファイナリストのうち、日本からは国別最多となる6名が選出された。ファイナリストの作品は2024年6月9日(日)までパリのパレ・ド・トウキョウで展示されます。
Crafts Council
ファイナリストに楽さんの「Seed:種」が選ばれました。ファーストチャレンジでのファイナリストは快挙と言ってもいいのではないかしら?
楽さんは「有名なコンペテイションなのでいつか入賞できればなと思って応募しました。入賞作品は世界各地で巡回展があるので楽しみです。日本でも見れるかな。土に触るのが性に合っていたので、京都市立銅駝(どうだ)美術工芸高等学校から京都陶芸大学校で学びました。粘土に鈴鹿の竜ケ岳でとってきた砂利や近くの川の砂利を練り込んで焼いてみたら、土地の風土を陶器に落とし込むような味がでて魅力的でした。曖昧な風合いが好きで石の上に溶け込むような、自然の中にいるような景色が落ち着きます。八風街道沿いの自然が影響しているのかも。30才まではいろんなものを見る時間をとってバックパックしながら南アメリカなどに行きたいで。アフリカの民芸品の色と造形に刺激を受けたので世界を見たい。日本人は四季で器を変えるほど器が好きですね。日本の陶芸のレベルは高く可能性も大きいので発信したい。器もオブジェも両方作ります。薪窯で焼きたいし木彫も魅力的、ピザもいいな」なるほど、こねて焼くのがお好きなようです。
彼の作ったぐい呑みは、ざらついてひび割れた白い化粧とまるっとした形が妙にエネルギッシュ。
皆さんへのメッセージは「陶芸っておもしろいで」です。
啓さんが生み出す手作り陶器は和むための道具としてやわらかい印象ですが丈夫に焼かれています。琵琶湖の至宝ビワマスをカップに描きました。滋賀の自然を自転車で満喫できるビワイチカップもあります。日常使いの器にオリジナルの図柄を描くサービスもありますよ。道の駅奥永源寺渓流の里や道の駅びわ湖大橋米プラザで販売しています。ビワマスは季節性の高い(足の早いとも言います)希少な魚です。お目にかかれてもかかれなくても、ビワマスカップで飲み物とともにビワマスを思い出してください。離れていても川を身近に。
#海と日本プロジェクトin滋賀県
#ロエベ財団クラフトプライズ2024
#中根啓
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#NOTA_SHOP
※「乾いた地面の地割れ、雨で濡れた森の色合い、地層の見える崖肌。時を経て自
然が生み出した景色やテクスチャなど、自身が心地よいと感じる空間に寄り添うよ
うに作用する。そのような物の在り方を考えています(NAKANE GAKU at NOTA_SHOP)」
#道の駅奥永源寺渓流の里
#道の駅びわ湖大橋米プラザ
#BIWAICHIカップ
#BIWAMASUカップ
#コミュニティアーキテクト辻村琴美
1956年大阪市生まれ。野洲市在住。(特非)コミュニテイ・アーキテクト近江環
人ネットワーク理事長。
写真家の辻村耕司の妻。職業は編集者。一男一女を授かり夫の実家旧中主(ちゅう
ず)町にて三世代同居。
環境倫理雑誌M・O・Hもう通信編集長を務めた。好きな言葉は「信頼と優愛」。目
標は“びわ湖から世界に羽ばたくバタフライエフェクト”を創ること。
1957年滋賀県生まれ。野洲市在住、(公益財団法人)日本写真家協会(JPS)会員。
1990年に滋賀にUターン後『湖国再発見』をテーマに琵琶湖周辺の風景や祭礼など
を撮影。