お知らせ
2023.06.09

【しがライターReport】川を守り、ホタルを守る!水環境を守る小学生「目田レンジャー」

「目田レンジャー」をご存じですか?小学1年から中学1年の15人で結成された「目田レンジャー」が守るのは、守山市を流れる目田川(めたがわ)のホタル。ホタルを守るために小学生が水辺の環境問題に立ち向かいます。

 

川の環境を守る活動

守山市にある「びわこ豊穣の郷」の活動に参加する小学生で結成された「目田レンジャー」。結成当時のメンバーは河村優さん(6年生)・楓さん(3年生)兄弟と清水佑真さん(5年生)・聡真さん(3年生)兄弟の4人です。

始まりは、優さんが幼稚園児だった9年前。守山市内を流れる目田川にホタルが自生するようにごみ拾いや草刈りなどを行う「目田川モデル河川づくり」のボランティア活動に参加したことです。

かつてはホタルが舞い、魚が生息し、子どもたちが川遊びをした目田川は、2000年頃にはごみや瓦礫が散乱し、川の生き物も見られず、川辺も雑草が生い茂る荒れ地になっていました。目田川などの守山市内の川が流入する赤野井湾の水質汚濁も問題となっていました。

「びわこ豊穣の郷」の前身である「豊穣の郷赤野井湾流域協議会」が「身近な河川環境が良くなれば、琵琶湖はきれいになる」ことをコンセプトに、目田川の中流域約500mの荒れ地となった水域を拠点に「目田川モデル河川づくり」を始めました。
きれいな水を取り戻し、魚が群れをなして泳ぐ川、川辺に樹木や草花が生え、初夏にはホタルが舞う川を目指し、2001年から毎月、川の散乱ごみの回収、川床・川岸の整備や草刈り、水質・水量・生物の環境調査を始めました。

2005年頃には水生植物も生い茂り、魚も泳ぐようになり、甲虫類も増えてきたことからゲンジボタルの幼虫の放流を行いました。

目田川に自然が戻ると、「びわこ豊穣の郷」は「子どもたちに自然の遊び場を提供したい」と、2005年から毎年春と夏に「水辺の楽校(がっこう)」を開催するようになりました。子どもたちは水につかり、生き物に直接触れる体験をします。

 

「川の生き物を守りたい」小学生の思い

「水辺の楽校」に参加した幼稚園児の優さんは、「生き物のすみかを守りたい」と思うようになり、「目田川モデル河川づくり」のボランティアに参加。ごみを拾い、ビニール袋に絡まったカメを助けたりする中で、優さんは「生き物のすみかを守りたい」という思いを強くしました。
小学生になった優さんは「思いはずっと変わらない」と月に1回のボランティア活動日以外も自主的に目田川のごみを拾い、ホタルの自生を増やすために川底の岩を取り除き、小石を入れることでホタルの幼虫やエサとなるカワニナが住みやすいように川の流れを変える作業も毎日しているそうです。

優さんと楓さんの母・寿子さんは「ごみを拾っても大雨が降ったら、また大量のごみが流れてくることを子どもたちは実体験として学んでいる。ごみを拾うことで川や生き物を守れることも実感できていて、日常生活の中でも環境について意識していると思います。年配の人や大学生など皆さんから親では教えられないことを教えてもらっています」と話します。

 

研究テーマをまとめて壁新聞に

「目田レンジャー」の活動を広めるために、4人は壁新聞を作りました。優さんが「ホタルの自生を目指す自然再生」、楓さんが「マイクロプラスチックを減らすためのリサイクルのルール」、佑真さんが「目田川で拾ったごみの量」、聡真さんが「外来種のアメリカザリガニ」。

それぞれの研究テーマを1枚の壁新聞にまとめ、琵琶湖博物館で開催された「淡海こどもエコクラブ壁新聞・絵日記コンクール」に応募しました。4人の壁新聞は、見事に壁新聞大賞を受賞し、3月の全国大会に滋賀県代表として推薦され、3月に東京で開催された「こどもエコクラブ全国フェスティバル2023」に参加しました。

目の見えない人にも伝えたいと、内容を説明する動画にアクセスできるQRコードを載せたほか、折り紙でカメやカエル、ホタルを作って貼り付け、紙面を立体的にしました。
佑真さんは「興味を持ってもらったり、分かりやすくしたりする工夫をして、聞いて触って、幅広い人に読んでもらえるようにしました」と話します。

4人の活動に賛同した小学生が「入隊」し、目田レンジャーは15人になりました。
小学2年の須山結月さんは「ゴミを拾ったらホタルにいいし、魚も元気になるし、人間にもいいので拾っています。川がきれいになると川遊びもできるので、それを目指して頑張っています」と話します。

身近な川の環境を改善することは、琵琶湖の環境保全にもなり、さらには海を守ることにもつながります。
ホタルが自生し、魚が泳ぎ、子どもたちが遊べる川を目指して、今日も「目田レンジャー」は水辺の環境問題に立ち向かいます。

NPO法人 びわこ豊穣の郷ホームページ

目田川モデル河川づくりではボランティアを募集しています。
毎月第3土曜日9:00~11:00(申込不要)
※前日22時のNHK天気予報にて滋賀県南部の降水確率60%以上の場合、中止となります。

 

レポーター紹介

有限会社ウエスト

「ピースマム」や「じゆうじかん」などで滋賀の地域情報を発信しています。
県内各地の情報に精通しているスタッフが、知られざる滋賀の魅力やイベント情報を深堀りしてお届けします♪

\ 記事をシェアしよう /
X LINE ニュースを共有

関連リンク

【しがライターReport】「小さな自然再生」現地研修会 ビワマス魚道を設置し地域を盛り上げよう+ゲリラ炊飯もあるよ
お知らせ
2024.11.13

【しがライターReport】「小さな自然再生」現地研修会 ビワマス魚道を設置し地域を盛り上げよう+ゲリラ炊飯もあるよ

【しがライターReport】ブラックバスのフルコース!実はおいしい外来魚!
お知らせ
2024.11.11

【しがライターReport】ブラックバスのフルコース!実はおいしい外来魚!

ページ内トップへ