昭和50年代に琵琶湖で度々発生した、水質悪化の象徴とされる「赤潮(あかしお)」。
この赤潮の原因である植物プランクトンは、水中の窒素などの栄養分が増えすぎることで異常発生します。
以来、窒素を多く含む合成洗剤の使用禁止を求める「石けん運動」など、窒素濃度を下げるための取り組みが県内で熱心に進められてきました。
「窒素濃度」の数値を下げることは、琵琶湖の環境活動の指標となっています。
その窒素濃度が、去年3月から今年4月までの調査の結果、北湖の今津沖・安曇川沖・南比良沖の3カ所で、国の定めた環境基準値以下の1リットルあたり0.20ミリグラムだったと発表されました。
41年前の調査開始以来、基準値クリアは初めてのことです!
県では水質改善の要因を、7月1日「びわ湖の日」など全国に先駆けて環境問題に取り組んできた滋賀県民の環境意識の向上のほか、下水や農業排水処理施設の充実なども挙げています。
県民の努力が実を結んだことはとても嬉しいですが、日本一の大きな湖でも、一度汚れてしまった水はこんなに長い時間もとに戻らないのだと改めて感じます…。
今後は、琵琶湖をもっと元気にするための、窒素濃度に変わる新たな指標作りが課題となります。
写真提供:(公社)びわこビジターズビューロー