【しがライターReport】琵琶湖を駆ける子どもたち「滋賀レイクスターズロウイングクラブ」 | 海と日本PROJECT in 滋賀県

4月8日に活動を開始した滋賀レイクスターズロウイングクラブは、現在、小中学生10人が所属し、瀬田漕艇倶楽部で練習をしています。
1977年設立の瀬田漕艇倶楽部は、大津市大萱にクラブハウスがあり、日本で最も古く、最も大きなコミュニティロウイングクラブです。
10代から80代、初心者からトップアスリートまで幅広いメンバーが所属しています。
東京五輪で金メダル3個、銀メダル2個を獲得したニュージランド代表チームが事前合宿をしたことでも話題になりました。

2016年5月から公益財団法人滋賀レイクスターズと瀬田漕艇倶楽部が共同で小学生向けのボートスクールを開催していましたが、学校の部活動でボート部がある中学は滋賀県内で3校しかなく、中学生になるとボート競技を続けたくても続けられないという現状がありました。
「中学に進学しても続けたい」という声を受け、公益財団法人滋賀レイクスターズの運営でクラブとしての活動を始めることになりました。

滋賀レイクスターズロウイングクラブの小中学生は、晴天時には「関西みらいローイングセンター」（滋賀県立琵琶湖漕艇場）のコースに出て練習を、雨天時や強風の時はクラブハウス内のロウイングエルゴメーターで訓練しています。
ボートの準備や後片付けも子どもたちで行います。
滋賀レイクスターズロウイングクラブヘッドコーチの杉藤洋志さんは「船を自分で出し入れするのが最初にクリアすべきハードル。準備を早くできないとボートに乗る時間も減ってしまいます。安全に船を出し入れすることと、船を真っすぐ進めることが難しい。船をコントロールできるようになり、レースに出場するのが目標です」と話します。

4人で1艘のボートに乗るクオドルプルでは、4人の動きを合わせる必要があります。
指示を出す役、リズムを整える役などそれぞれに役割があり、協力し合ってボートを進めます。
「相手が何を考えているのかが分かることが大事。準備の段階から情報交換をして、時間を共有することで分かるようになります」と話す杉藤さん。

中学1年の元安梓さんは中学では陸上部に所属し、中長距離を専門にしています。
「ロウイングも陸上も足が大事で、陸上競技がロウイングにも生きてきて、ロウイングが陸上にも生きていると思います」と話します。
杉藤さんは「いろいろなスポーツをすることで相乗効果が期待できます。ロウイングは全身運動で、足の力が重要。パワー、持久力、循環器系の能力も高くなり、どんなスポーツにも生かせると思います。吹奏楽部や水泳クラブに所属している子もいて、両方取り組めるのがいいと感じています」とのこと。
アメリカでは、一つの競技だけをするのではなく、複数競技に取り組むことで、全身の運動能力を高め、けがの防止にもなると、「マルチスポーツ」が推奨されています。
杉藤さんは「週に数回陸上競技、週に2回ロウイングといったように、部活と両立できることが理想です」とロウイングクラブがマルチスポーツへのきっかけになればと考えています。

元安さんは「ボート競技は滋賀だからこそできるスポーツ。今後もチャンスがあれば続けたいです」と話します。

杉藤さんは「高校、大学でもロウイングを続ける選手がいればうれしいです。いろいろな選択肢の中にロウイングがあって、どの年代からでも入口のあるクラブになりたい。ここでロウイングに出合って、ピークパフォーマンスに至るのもここであってほしいです。ここから日本代表を輩出するのが夢」と話します。

五輪事前合宿のニュージーランドロウイング代表チームの受け入れ事業を担当し、東京五輪、パラリンピックの競技会場委員を務め、世界のトップチームのロウイングを肌で感じた杉藤さんは、世界に通用する選手を育てることを目標としています。

ジュニアからトップレベルまでの普及、育成、強化を目指す滋賀レイクスターズロウイングクラブ。
滋賀県だからこそできるスポーツを体験してみませんか？

【滋賀レイクスターズロウイングクラブ】
練習時間：
小学生（小学4年生以上）　週1回　土曜10：30～12：30
中学生　週2回　木曜16：30～18：30、土曜10：30～12：30
※現在、緊急事態宣言の発令により休校されています。（9/16投稿時点）
　今後の状況は公益財団法人滋賀レイクスターズHPをご確認ください。
公益財団法人滋賀レイクスターズHP
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