爽やかな秋晴れが続いていますが、滋賀県にとっては喜んでばかりもいられない状況となってきました。
17日の朝6時現在の琵琶湖の水位は-65cm。2007年以来14年ぶりの値です。
例年ならば台風が多いはずの先月10月の降雨量が少なく、11月に入ってもほとんど雨が降っていないことが要因です。
大津市・堅田漁港では、係留した漁船への乗り降りがしにくくなったと言った話も聞かれる中、漁業関係者が最も注視するのは、解禁が来月1日に迫ったアユ漁への影響です。
冬のアユ漁は、沖合に仕掛けた定置網「魞(えり)」に入り込んだアユを獲るもの。
「ツボ」と呼ばれる魞先端部分の網の張り具合が、漁獲量に影響します。
堅田漁協の今井副組合長は昨日、自身が管理する魞で、水位に合わせてツボ部分の網を下げる作業をされました。現在のところ、水位低下による漁獲量への影響はあまり感じないそうです。
一方、大津市の湖岸では、戦国武将・明智光秀の居城として知られる坂本城跡の石垣の一部が現れています。
この石垣は、琵琶湖の水位が観測史上最低の-123cmとなった1994年以来27年ぶりに姿を見せ、話題となっています。
また岸辺付近では、小魚などの住みかとなるヨシが根元まで水から出るなど、見た目にも水位低下は明らかです。
滋賀県では今日、庁内に、土木交通部長をトップとする「県水位低下連絡調整会議」を設置しました。
今後は各部署を通して、生活や生態系への影響を調査し、情報をまとめることにしています。