海と日本プロジェクトin滋賀県推進リーダーの小西あゆ香です。7月14日(土)に【水の守り人マップを作ろう!②】の1日目が実施されました。
「水の守り人マップを作ろう!」は、海と日本プロジェクトin滋賀県が実施し、今年で2年目になる体験ツアーです。水源の森から、びわ湖、川、海へと続く水の道を4日間かけて実際に巡り、それぞれの場所で水を守る【守り人(もりびと)さん】に話を聞き、水を守る大切さを学んでもらいます。この日は、長浜市西浅井町山門にある【奥びわ湖・山門水源の森】を訪ねました。滋賀県最北端に位置し、4万年もの歴史をもつ県内最大級の湿原です。
開会式では、滋賀県内各地から公募で集まった小学5年生26名を【子ども記者】に任命しました。4日間の体験で学んだ事を最終日に壁新聞にまとめてもらいます!
森を案内してくださるのは、山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会の皆さんです。こちらの会では、貴重な生物の宝庫である森や湿地を次の世代にも引き継ぐために、森の保全や湿地の復元作業をボランティアで行っておられます。皆さん、森のスペシャリスト!クイズや質問をまじえながら、子ども達の興味や関心を引き出し、森や湿原の役割、めずらしい植物や、昆虫の事を教えてくださいました。子ども達の目がキラキラしていたのが印象的です。お昼ごはんも、森の中で食べました!びわ湖の恵み弁当です。小鮎の佃煮、うなぎ、しじみ・・・。お腹いっぱい!
日本で一番小さいトンボハッチョウトンボを発見!なんと10円玉ほどしかありません。ヒツジグサは、未(ひつじ)のこく(午後2時)頃に花を咲かせることが名前の由来だそうです。こちらも湿原でしか見られない貴重な植物です。
湿原の珍しい植物や生き物を観察したあとは、森の中へ。森の中にブルーシートを敷き。その上に皆で寝ころびました。おしゃべりをやめて、目をつぶり、感覚を研ぎ澄ませて約4分間、森を感じました。そして、そっと目を開けて・・・子ども達は何をどのように感じたのでしょうか?「良いにおいがした」「風で木がゆれる音を感じた」「自分が鳥になったような気がした」など色々な感想が子ども達から発表されました。
最後に、子ども達も森の保全活動に参加しました。鹿の食害から木を守るために、ヒノキの木にビニールテープを巻き付けます。1本1本丁寧に作業していきます。周囲を見渡すと、既に多くの木にテープが巻かれています。ボランティアの人の手によって、この貴重な森は守られている事を実感しました。
散策の途中で、サルトリイバラという植物を発見しました。茎にとげがあって、お猿さんがひっかかる事が名前の由来だそうです。このサルトリイバラの葉っぱを使ったオモチをみんなで食べました。この地域では【がらたて餅】と呼ばれているそうです。サルトリイバラの葉っぱは、つるつるしていて丈夫で、オモチがくっつきません。柏餅のようですが、香りもクセもなくとても美味しくて子ども達にも大好評でした。
山に降った雨は、豊かな森や湿原に蓄えられ、少しずつ沢に流れ出します。そして、沢はやがて川になり琵琶湖に流れ込みます。10月になるとこのあたりの川では、琵琶湖の固有種ビワマスが産卵のために、遡上してくるそうです。それだけこの森が美しく、そこから流れ出る川が美しい証です。このような美しい川や琵琶湖、その先に繋がる海を綺麗なまま守っていくために、健康な森を守り、育てる事が大切だと教えて頂きました。
色々な植物がたくさんいるから、色々な昆虫がいて、色々な昆虫を食べる、色々な鳥や動物がいる。子ども達に分かりやすい言葉で【生物多様性】の重要性について教えて頂きました。