滋賀県の小学5年生が、琵琶湖上で1泊2日の環境体験学習をする学習船「うみのこ」。
8月26日には、関西の親子を対象にした体験航海が行われました。
この日は滋賀をはじめ、京都、兵庫、和歌山など約60組の親子が参加。
流域の人たちにも「うみのこ」で琵琶湖の環境などについて知ってもらおうと行われている取り組みで、
毎年、応募が殺到!抽選でも狭き門となっています。
それほど人気のあるこの体験航海ですが、今回はこれまでとは事情が違います。
それは、現在の船ではこれが最後の体験航海となるからです。
1983年の就航から30年以上にわたって
53万人以上の小学5年生が乗船した「うみのこ」。
現在の船は老朽化などから今年度で役目を終え、
来年度からは新しい船に重要な役割が引き継がれる予定です。
こうしたこともあり今回の親子体験航海には、最後の姿を見届けようと、
子どものころに乗船したことのある方が親となって参加するケースが多くみられました。
このうち、「現在の船に乗れるのは最後なので応募しました」と話すのは、
25年前に乗船した近江八幡市出身の女性(36)。
「陸からしかびわ湖を見たことがなかったので貴重な体験でした。」と
当時を振り返りました。
また同じく25年前に乗船した守山市出身の男性(36)は、
「船の中は当時のままで、楽しかった思い出が鮮明によみがえりました。」と
感慨深げに話していました。
船を降りた後も、一緒に過ごした別の小学校の児童と
手紙のやり取りをして交流を深めたといいます。
現在の船は今年度で役目を終えます。
体験航海を実施している「びわ湖フローティングスクール」の青木正士所長は
「うみのこ」の意義について、「学習だけでなく友情をはぐくむ場として貴重な体験」と話します。
乗船する児童は、体験学習で初めて別の小学校の児童と出会うことが多いといいます。
その貴重で重要な役割は、来年度から新しい「うみのこ」に引き継がれます。