琵琶湖岸に面する大津市の「唐崎神社」は、近江八景のひとつ「唐崎の夜雨(からさきのやう)」で知られる景勝地。境内には、松尾芭蕉の「辛崎の松は花より朧にて」という句で名高い樹齢約100年の巨大な霊松があります。実は金沢の兼六園にある唐崎の松は、この地から分けられたものなんだそう。厄除や病気平癒、特に女性の下の病に霊験があり、トイレのお守「ちの輪守」で有名です。
この唐崎神社で7月28日(金)、夏の身体健康を祈願する「みたらし祭」が行われました。この日には様々な神事・行事が行われ、湖上焚上神事では、参拝者の納めた古いお札やお守り、木札に願いごとを書いた”願い串”が、琵琶湖上で焚上げられます。
午後7時過ぎ、まだ少し明るさが残る中、琵琶湖面に焚上げの火が映り込み、荘厳な雰囲気が漂います。また、ちの輪くぐりでお祓いした葦(ヨシ)を琵琶湖に流すことで、人々の罪けがれを水に流す神事も。地域の祈りの文化に、琵琶湖が深く関わってきたことがわかります。
みたらし祭のクライマックスを迎える最大の見所が、手筒花火の奉納!手筒花火が盛んな静岡県・富幕開進社の皆さんにより行われます。 打ち上げ花火と違い、竹の筒から直接吹き出す火の粉は圧巻。夜空を焦がす勇壮な火柱が参拝者を楽しませていました。