【しがライターReport】君は沖島の湖魚を食べた事はあるか?

2024-4-3
海と日本PROJECT  in 滋賀県

日本で唯一淡水湖に浮かぶ有人島(人が定住している島)が近江八幡市の沖島(一周約7km)です。堀切港から15分で上陸すると異空間に来たようで時間の流れがなんだか違います。
沖島の日常は船で始まり船で終えます。島内には自動車道がなく三輪自転車がマイカーです。漁業に従事する人が大半で夫婦で漁師も少なくありません。
島の小学校には他地域のお子さんも通学しています。高齢化の沖島ではお孫さん達が沖島小学校に通う日を楽しみにしています。
おじいさんおばあさんの健康を見守るのが訪問看護士の中嶋光代(なかじまみつよ)さん。中嶋さん曰く「季節の新鮮な琵琶湖の魚を島のおじいちゃんに準備していただき、おばあちゃんに作り方を教わりながら美味しい料理をお腹いっぱい食べてほしい。健康増進と交流につながると思い企画しました。一人ではできないので仲間の助けを借りました」。
親子島旅『沖島で湖魚を食べたらどんな味?』第二段はじまりはじまり~。

 

イサザをさわったよぉ、じゅんじゅん、おすまし、佃煮

  1. イサザを水でざーっと洗うんや
  2. 佃煮の味付けは目分量、炊き上がるまでじっと待つ
  3. イサザのじゅんじゅん

イサザは琵琶湖固有種、ハゼの一種で絶滅が危惧されています。3月にはいると沖合から沿岸に移動し産卵します。春を呼ぶイサザが今回の主役です。
ぬめりを取るため水で洗います。最初はこわごわでしたが慣れれば手つきがわかります。「これぐらいなら食べれるわ」と自分のお腹と相談しながらの初イサザ洗いが滞りなく終了。
小川敏栄(おがわとしえ)さん、久田美千代(ひさだみちよ)さん、奥村菊代(おくむらきくえ)さんが、漁師の小川洋(おがわひろし)さん、中島弘(なかじまひろむ)さんの準備してくれた魚で料理開始。
イサザのじゅんじゅん=お湯を沸かした鍋にイサザを入れ砂糖と醤油を投入し煮えてきたら薄揚げ、麩、キノコ、ネギなど野菜を入れて出来上がり。イサザから出汁が出るので味付けはお好みで。
イサザのおすまし=お湯にイサザを入れ沸騰させます。溶き卵とネギ、かまぼこを入れ出汁の素で味を整えます。卵とイサザって合うんだなあ、これが。
イサザの佃煮=砂糖と醤油を煮立たせた中にイサザとマメ(煮大豆)を投入し煮詰めます。コツは水分がなくなるまでかき混ぜないでじっと待つこと(身が砕けるので)。
おばあちゃんたちの指導のもと、実演調理が始まります。思い思いにおかわりしながら食します。
「イサザの味がおいしい」とじゅんじゅん丼、 佃煮丼も即興で登場です。味の秘訣を聞きました「イサザやね。味付けは適当や。みんなで食べるとことのほかやわ」。

 

ニゴロブナ(オス)がぴちぴち動いてる「じょき」

  1. じょき

じょき=ピチピチと跳ねるオスのニゴロブナを刺身にします。これを「じょき」と呼びます。おばあちゃんがさばきます。鱗をはがし頭を切ります。鱗が跳ね、血潮が飛んで、命をいただくのです。興味津々で見つめる瞳は真剣です。身と骨を削ぎ三枚おろしにします。腹の骨を削ぎ皮を剥がして細く切り分けるというお手間いり(作業が多い)です。なぜじょきというかって?「口の中でプリプリした身がジョキって音を立てるみたい」だそうです。「皮つきのまま身を刻むときジョキジョキいうから」じょきという説も。後味が甘いんだなあ。

 

気の毒なお母さんなんだ、西福寺で幽霊のお軸拝見

  1. おばあちゃんのカフェ「漣 SAZANAMI」
  2. 漁師十衛門の妻が難産の末思いを残して霊となり蓮如上人(れんにょしょうにん)に正信偈(しょうしんげ)を受けるの図

食後は沖島散歩です。立ち寄ったカフェで、参加者パパが同級生に再会するという奇遇に遭遇。目印は看板おばあちゃんです。こんなん、ええなあ。
西福寺で坊守の茶谷(ちゃたに)えつ子さんから、沖島の由来を拝聴。近江源氏の落武者を起源とし、室町時代540年に蓮如上人が越前に向かう際南風にあって辿り着いた時に、漁師十衛門の亡き妻が難産の末思いを残して霊として現れることを話すと、筵(むしろ)の上で南無阿弥陀を記し霊を鎮めた由縁の軸を拝見。女性の幽霊が蓮如上人を見つめるを見て「こわいというより、きのどくやなあ」と呟く声が・・・。

 

みんなの故郷になればいいな、想い出ハガキ

  1. 沖島3人娘(小川敏栄さん、久田美千代さん、奥村菊代さん)
  2. 桜の頃に来たい
  3. 楽しくて美味しかった

想い出ハガキを描きました。ママ当てに書く子たちや沖島ラブを描く人も思い思いの絵柄で表現します。届くのが楽しみですね。
参加者は大人23名子ども6名。「島の訪問看護は珍しく憧れです」「ニゴロブナのじょきははじめて。たのしくておいしかった」「子どもさんがいて癒される」「おなかいっぱい」「7人家族で枚方と高槻から来ました。孫がフナを食べたのには驚き」「職場の人に教えてもらいました。息子が釣り好きなのでさばき方を熱心に観察してました」「2回目です。豊田から来ました。神社仏閣好きなのでまた来ます」「沖島桜を見たいな」「貴重な体験ありがとう」。
おばあちゃんたちは「また来てやあ!季節の魚を食べさしてあげるしなあ」と、お見送り。観光旅行とはひと味違う船の旅、お気に召していただけたかしら?
中嶋さんは「沖島を知らない人に来ていただきたい。生き物の命をいただくことに感謝し、琵琶湖固有種の魚を食べる貴重な経験を広めたい」そうです。来年はあなたも沖島の魚を味わってみませんか?

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#2023年度ハートランド推進財団近江八幡まちづくり団体育成支援補助金
#特定非営利活動法人コミュニテイ・アーキテクト(近江環人)ネットワーク地域コミュニテイ再生事業助成
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レポーター紹介

文・写真/辻村琴美・文化コーディネーター
1956年大阪市生まれ。野洲市在住。(特非)コミュニテイ・アーキテクト近江環人ネットワーク理事長。
写真家の辻村耕司の妻。職業は編集者。一男一女を授かり夫の実家旧中主(ちゅうず)町にて三世代同居。
環境倫理雑誌M・O・H(もう)通信編集長を務めた。好きな言葉は「信頼と優愛」。目標は“びわ湖から世界に羽ばたくバタフライエフェクト”を創ること。

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