2023年9月25日、淡海鮨の会さんから「淡海鮨会-秋分-」を近江八幡市の閑大寺(かんだいじ)でしますよおとSNSに一報が。近江八幡市の閑大寺さんに伺いました。
大きな松の木がどっかりと迎えてくれます。前栽(せんざい)には季節の草花が顔を出し縁側で時を待つ風情はお茶会のよう。本堂に並ぶ仏様の佇まいが場を和らげてくださいます。会費は9,000円也。
安藤あゆみさんと安藤克也さんは閑大寺で暮らす夫婦。淡海鮨会は安藤あゆみさん、安藤克也さん、小松聖児さんの3人で始めたプロジェクト。佐藤けんさんは小松さんの助っ人で今回初お目見えです。
回らない鮨店でカウンター越しに大将と会話しながら時価ネタを食しておちょこをクイッと空けながら料理を味わう贅沢。
目を上げると西国三十三所の観音様のお姿が優しく、薬師如来様は御厨子の中で見守って下さるような。
お茶席のおくゆかしさ+お講話の慎ましさ+お鮨店の気高さ+懐石料理の華やかさが相まった淡海(琵琶湖)の湖魚と産物を愛でる旨い会です。
お料理の中には、漁師さんと、川魚屋さんと、料理人さんと、ご亭主と、客人の琵琶湖魚ラブなほんわかしたスパイスが味わえます。
前菜はオクラとビワマスの白子。ネバネバ同士の相性が抜群。ビワマスの白子って初めての遭遇。冬瓜と湖魚のほぐし身は生姜の香りが新鮮でした。
お茶は中川誠盛堂茶舗さん、お酒は東近江市の喜多酒造さんの権座など4種類が用意されています。
天ぷらは油に注目(見えないですけど)。天かすが美味しいの。滋賀特産の「菜ばかり」(菜種油)を使っています。野菜は近江八幡市の小林ファームさんの季節のバターナッツというカボチャとナス。カマツカの身は淡白、テナガエビは圧巻の大きさ!パリッと永遠に食べれそう。メンカラスガイはダブガイとも呼ばれていて大きな貝ですが普段は食卓には上がりません。やわっとした食感です。ビワマスの白子は油との相性がいいですね歯触りが楽しめます。
さて、料理人が静々と湖魚の下ごしらえ。ウグイ、ビワマス、ナマズ、ニゴイ。ウグイは酢洗い、ナマズは皮を剥ぎます。ビワマス以外は初お目見えです。それぞれの魚にあった下処理をしながら握ってくれはります。一番人気のウグイは酢飯とバランスがよくスッと食べれて、ビワマスはとろっとろ、ナマズはあっさり、ニゴイは後味の脂っぽさが口に残ります。タテボシガイは貝の煮付けなのですが飲み物のようにお口からなくなります。
料理人曰く「メニューはその日に入った食材を見て、スタッフと相談しています。初めて食す方が自然に楽しめるように、ちょっと変化をつけながら食材を無駄にしないように心がけています。今日は、ビワマスのお代わりがあります」と、握りの二貫目が出てきたから大喜び(単純ですが・・・)。
サプライズも味のうち。
さて、〆は王道。ビワマスの卵の小丼。酢飯に盛られた卵が愛しい。
料理人曰く「セタシジミと湖魚焼きアラのお味噌汁は、海由来のものは入っていません。お椀の中に琵琶湖の景色が浮かぶような逸品になりました。握りで登場した淡水のタテボシ貝と湖魚のアラが和食の合わせ出汁かと思うような美味しい出汁に仕上がってくれました」。
なるほど、具がたっぷりのお味噌汁は、ほっこり優しい味わい。小丼にお味噌汁を入れて雑炊風にしていただくと、すっごくおいしかった。私的にお代わり所望の一品でした。
参加者は、奈良(淡水魚関連調査)、大阪(居酒屋)、京都(野菜流通業)、甲賀(精進料理)、大津(琵琶湖システム関係者)から駆けつけた琵琶湖の湖魚の愛好者の面々。
琵琶湖の素材が川の流れのように都市で食されていけば良いのになあ。
#淡海鮨の会秋分
#閑大寺
#安藤あゆみ
#安藤克也
#小松聖児
#小松亭タマサート
#中川誠盛堂製舗
#針江のんきーふぁーむ
#奥村佃煮
#喜多酒造
#滋賀のカメラマン辻村耕司
#コミュニテイアーキテクト辻村琴美
1956年大阪市生まれ。野洲市在住。(特非)コミュニテイ・アーキテクト近江環人ネットワーク理事長。
写真家の辻村耕司の妻。職業は編集者。一男一女を授かり夫の実家旧中主(ちゅうず)町にて三世代同居。
環境倫理雑誌M・O・Hもう通信編集長を務めた。好きな言葉は「信頼と優愛」。
1957年滋賀県生まれ、日本写真家協会(JPS)会員。
大学から大阪で暮らし1990年にUターン。
1993年から写真撮影を生業とする、滋賀を旅する写真家。