9月2日、野洲市の「魚のゆりかご水田」で、稲刈り体験が行われました。
湖魚たちの産卵場所となる「魚のゆりかご水田」。
かつて「田んぼ」は、コイ・フナ・ナマズなど、琵琶湖の魚にとって絶好の産卵場所でした。田んぼは水温が暖かく、稚魚のエサとなるプランクトンが豊富なので、産卵や稚魚の成育にとても適しているそうです。
しかし圃場整備により、田んぼと用水路の高低差が2メートル近くになり、生き物を締め出すことになってしまいました。「魚のゆりかご水田」は、生き物が激減した田んぼに魚道を設置し、かつての琵琶湖周辺で見られた景観を復活させる取り組みなのです。
漁業と農業がつながるこうした資源循環型システムは「琵琶湖システム」と呼ばれ、去年7月、世界農業遺産に認定されました。
稲刈りには、県内の家族連れを中心に、大人から子どもまで約150人が参加。鎌を力強く引いて稲を刈り取り、その稲を束にして干す、昔ながらの手作業に挑戦しました。
収穫体験のあとは、「魚のゆりかご水田」で実った新米がふるまわれ、子どもたちがおいしそうにほおばっていました。
「魚のゆりかご水田米」は、県内の直売所などで販売されています。このお米を購入し、食べることで、魚たちが遡上・産卵・成育できる水田環境が保たれます。琵琶湖の環境にも配慮した美味しいお米を食べて、ぜひこうした取り組みを応援してくださいね。